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米国ドルフィンセーフ認証制度に関する米国NOAAへの質問と回答

一般社団法人食品需給研究センター
(水産物トレーサビリティ協議会事務局)
2019年7月25日更新


食品需給研究センターは、水産物トレーサビリティ協議会の事務局として、米国NOAAに対し、米国ドルフィンセーフ認証制度について、NOAA担当者に電子メールで質問し、回答を受けました。
以下、その概要をまとめます。

1. 制度への対応の必要性について

Q1-1:ドルフィンセーフ認証は、カツオ・マグロ類(以下tuna)やその製品を米国へ輸出する際に必要か。その根拠は何か。

回答:
米国の輸入業者は、輸入時にNOAA Form 370(Fisheries Certificate of Origin)を提出する義務があり、NOAA Form 370の規則においては、輸入業者が「ドルフィンセーフとして認証されていないtunaとして申告することは許されていない。
また、連邦規則50 CFR 216.24(f)(12)においては、ドルフィンセーフでないtuna製品を米国内での販売、購入、販売のための譲り渡し、輸送、または出荷を禁止している。(2018年10月)

Q1-2:かつお一本釣り漁業をCaptain Statementの義務対象から除外できないか。

回答:
いいえ、除外にはできない。(2018年9月)

2. Captain’s Statementについて

Q2-1:Captain’s Statementの提出を年1回にするか、Captainの代わりにサインを代筆するのは可能か。

回答:
いいえ、Captain’s Statementに署名できるのは漁船の船長だけ。漁業の航海1回ごとに必要。(2018年9月)


JASTによる補足説明(2019年6月3日):
その後、「複数の航海について、1通のCaptain’s Statementを作成することは可能」との回答を得ました。Q2-12をご覧ください。

Q2-2:船長の申告に基づき、Captain’s Statementを漁協が署名するのは可能か。

回答:
絶対にだめ。規則により、各漁獲船の船長がCaptain’s Statementに署名しなければならない。(2018年9月)

Q2-3:大中まき旋網漁業において、網船の船長に代わり、運搬船の船長がCaptain’s Statementに署名するのは可能か。

回答:
漁獲した漁船の船長であることが必要。(2018年9月)

Q2-4:署名したCaptain’s Statementは、最終的に原本を提出する必要があるか。それとも、コピーでも構わないか?

回答:
はい、原本は1部のみで、複数の荷物に分かれた漁獲物にはコピーを使用して構わない。米国の規制では、米国輸入者の税関業者にCaptain’s Statementをスキャンしたもの(電子的な形式)をアップロードすることを義務づけている。(2018年9月)

Q2-5:Captain’s Statementへの署名は、電子サインでもよいか。

回答:
船長が望むなら、電子サインでもよい。(2018年10月)

Q2-6:大中まき旋網漁業の網船は、運搬船が陸揚げする時点ではまだ洋上におり、航海を続ける。したがって「出航日」「帰航日」はふさわしくなく、むしろ「漁獲開始日」「漁獲終了日」とすべきではないか。

回答:
そのような旋網漁業の操業においては、確かに「漁獲開始日」「漁獲終了日」を記載するのが適切。(2018年9月)

追記:
Q2-6への回答を受け、大中まき網漁業の場合にも利用できるCaptain’s Statementの日本語・英語併記の様式を作成しました。
この様式は、NOAA担当者に送付し、確認を得ています。ダウンロードし、ご利用ください。
漁船の船長の皆さまにおいては、Q2-9にあるとおり、いつも変わらない情報を英語で入れて印刷しておくこともできます。
Captain’s Statementの日本語・英語併記の様式(word形式)

Q2-7:Captain’s Statementの漁船名等の欄は、英語で書く必要があるか。日本語でもよいか。

回答:
英語の文字で書く必要がある。船長の署名のみ、日本語で結構。(2018年12月)

Q2-8:漁獲水域の欄は、NOAA Form 370の2ページ目にある記号で記入すべきか。

回答:
日本の沖での漁業であれば、北緯40度より北ならNP、それより南ならWPが該当する。(2018年12月)


参考:
NOAA Form 370の2ページ目より
・NP - North Pacific Ocean (north of 40°N. latitude)
・WP - Western Pacific Ocean (west of 160° W. longitude and north of 15° S. latitude)
・SP - South Pacific Ocean (west of 160° W. longitude, south of 15° S. latitude and east of 160° W. longitude, south of 40° S. latitude)

Q2-9:漁船名や船長の名前など、いつも船長にとってはいつも変わらない情報は、あらかじめプリントしておいてもよいか。

回答:
あらかじめプリントしておいてよい。(2018年12月)

Q2-10:Captain’s Statementの署名日欄は、自筆でなく、あらかじめ印刷してよいか。

回答:
署名日欄は、あらかじめ印刷しても構わない。(2019年4月)

Q2-11:日本の漁船には、船長(captain)とは別に「漁労長」(fishing master)を置く場合がある。船長が航行に責任を持つ一方で、漁労長が漁業を指揮する。この場合、漁労長が署名してもよいか。

回答:
その場合は、漁労長が署名するほうが適切である。ただし、その人物が航行中に漁獲漁船に乗務しておりイルカの死亡や重傷の有無を証言できること、また「船長用イルカ無害研修コース」を修了していることが条件である。
なお、漁労長が署名する場合のCaptain’s Statementにおける役職名は、captainのままでよい。(2019年4月)

Q2-12:船長が複数の航海に対して、1通のCaptain’s Statementを作成することは可能か。近海かつお一本釣漁業のように1か月に数回の航海をする場合、船長にとって、1か月分の航海を振り返ってドルフィンセーフの状態を申告できると考えられる。

回答:
複数の航海に対する1通のCaptain’s Statementを作成することは可能。その場合、Captain’s Statementにそれぞれの航海の期間をリストにし、船長の署名と署名日を添えること。(2019年5月)


JASTによる補足説明(2019年6月3日):
上記の回答を踏まえ、複数航海を対象としたCaptain’s Statementの様式を作成しました。NOAAの担当者による確認済みです。 

Q2-13:航海終了後に漁船船長が提出するのであれば、漁船船長が航海終了に先立ってCaptain's Statementに署名を書いておいてもよいか。New!

回答:漁船の船長自身がCaptain's Statementを完成させるのであれば、あらかじめ署名しても構わない。(2019年7月)

 

 

3. NOAA Form 370 (Fisheries Certificate of Origin)について

Q3-1(Q2-6の関連):
様式“Fisheries Certificate of Origin”にも、「出航日」「帰航日」の欄がある。
Captain’s Statementにおいて「漁獲開始日」「漁獲終了日」が記載されている場合には、“Fisheries Certificate of Origin”にも「漁獲開始日」「漁獲終了日」を記載してよいか。

回答:
はい。NOAA Form 370(Fisheries Certificate of Origin)には、Captain's Statementの日付と一致しているのがよい。 NOAA Form 370の様式を変更するのではなく、表の「出航日」「帰航日」の欄に、「漁獲開始日」「漁獲終了日」を埋めてください。(2018年9月)

Q3-2(Q3-1の関連):NOAA Form 370の”4. DESCRIPTION OF FISH”には4行(4隻・航海分)しか記入できない。

回答:
2つ方法がある。
1. 1つの荷口に対して、NOAA Form 370の1ページ目を複数枚使う。
2. NOAA Form 370のSection 4に、「"See attached sheet"(添付シート参照)」と記載する。添付シートを作成し、Section 4の表を記載する。(2018年9月)

4. 対象品目について

Q4-1:NOAAは、2019年4月のSIMPの対象品目拡大とともに、TTVPの対象も拡大したか。その根拠となる規則や通知はなにか。

回答:
TTVPの要求に変更はない。TTVPの対象となるHTSコードは下記ページのとおり。(2019年5月)
https://www.fisheries.noaa.gov/national/marine-mammal-protection/harmonized-tariff-schedule-selected-tuna-and-tuna-products

Q4-2:いま輸出しようとする製品は、例えば2年前に漁獲された魚に由来する場合がある。このような場合でもNOAAは、漁船船長に、2年前の航海を思い出してcaptain’s statementへ署名することを要求するか。

回答:
その場合製造業者は、アメリカに製品を輸出するのであれば、原料を購入する際に、captain statementを入手しておくべきだった。(2019年5月)


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