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EU:IUU漁業規則に基づく漁獲証明制度

EUは、IUU(違法・無報告・無規制)漁業に由来する水産物の輸入を防止するため、対象となる水産物の輸入に際して漁獲証明書(Catch Certificate)を求めています。

1.制度の概要

EUのIUU漁業規則(理事会規則(EC)No 1005/2008)に基づく漁獲証明制度は、2010年に適用が始まりました。漁獲証明書は、EU加盟国に輸入される水産製品が、適法に漁獲された水産物に由来することを、漁船の旗国の当局が認証する書類です。

2.対象魚種・製品の範囲

水産物とその調製品(HSコードの3類、1604・1605に分類されるもの)が対象です。ただし淡水魚、観賞魚、稚魚又は幼生を用いて生産された養殖魚、二枚貝、海藻類は対象外です。

3.日本の漁船が漁獲した水産物やその調製品をEUに輸出する場合

日本の漁船が漁獲した水産物をEUへ輸出する場合には、日本の水産庁が、EU当局との合意により定められた様式の漁獲証明書を、輸出業者からの申請を受けて発給します。一般に輸出業者等が申請に必要な情報・書類を集め漁獲証明書の所定の欄を記載しますが、以下の5で述べるように、漁業者、産地市場荷受・漁協、買受人、加工業者など、その水産物を扱った事業者の協力が必要になります。

加工されてEUに輸入される場合には、原料に関する漁獲証明書に加えて、加工国の所管機関が確認した加工証明書(Processing Statement)が必要になります。2026年1月10日以降は、旗国で加工した製品についても加工証明書が必要となりました(ただし冷凍するだけの場合は加工証明書は不要です)。

なお英国はEU離脱後も基本的に同様の漁獲証明書を要求しています。このため日本の漁船が漁獲した水産物を英国に輸出をする場合にも、共通の要領・要綱によって漁獲証明書が発行されます。

4.漁獲・陸揚げ段階の情報

漁獲証明書の作成に際して、産地の関係者が提供することになる情報には、例えば次のようなものがあります。

  • 漁船情報:漁船名、漁船登録番号、主たる根拠地、必要に応じてIMO番号・コールサイン、漁業許可・免許に関する情報、使用した漁具・漁法など
  • 漁獲物の情報:魚種、漁獲日または期間、漁獲水域、重量など

漁獲証明書には輸出者・製品・輸送等についての情報も必要ですが、それらは主に輸出業者で扱う情報であるため、ここでは省略しています。

5.産地関係者に求められる対応

EU向けの日本の漁獲証明書には、漁船の船長または漁船所有・運航会社の代表者が署名する欄があり、本人が書面に署名することが必要です。輸出業者等が記載した漁船情報・漁獲情報等が適切かを確認のうえ署名します。

また水産庁は漁獲から輸出までの関係者間の売買関係書類の提出を求めており、輸出業者が申請の際にコピーを提出します。ですので産地の関係者は、この売買関係書類のコピーを輸出業者に提供することが必要になります。

この売買関係書類は事業者間のトレーサビリティのための資料となりますが、それに加え、漁獲証明書に記載された原料魚が、実際に輸出する水産物や加工品に使われたことを記録に基づいてたどれることが重要です。提出の義務はありませんが、各段階の事業者が入荷品と出荷品の対応関係を記録する(つまり各段階の事業者が内部トレーサビリティを確保する)ことも、実質的に必要と言えます。

6.将来の漁獲証明書の電子化の可能性 〜EUの電子システム「CATCH」について

2026年1月10日から、EUの輸入業者等は、輸出国の輸入業者から受け取った漁獲証明書その他の関係書類をEUの電子システム「CATCH」を使って提出することが義務づけられました。EUの輸入業者は、紙の漁獲証明書を受け取った場合には、CATCHのフォームに対し、記入された情報を入力することが必要です。

EU加盟国以外の各国の政府機関や事業者には、CATCHを利用する義務はありませんが、EU当局は漁獲証明書や加工証明書を電子的に検証するため、また輸入業者による再入力の負担を減らすため、旗国・加工国の政府機関や事業者がCATCHのユーザーとなり直接アクセスし、漁船情報・漁獲情報を入力したり署名ボタンを押すなどして電子的な漁獲証明をCACTHのなかで作成することを推奨しています。現時点では、フィリピン・台湾など一部の国・地域がこの方法で電子的に作成しています。またノルウェー・ニュージーランド・英国など、漁獲証明書を発行するための独自の電子的システムを有する国は、その国のシステムとCATCHが相互運用することにより、デジタルな形式で漁獲証明が作成・提出されています。

日本が発行する漁獲証明書は、現時点(2026年10月)では従来どおり紙に署名・押印をすることで発行されていますが、今後電子的な形で提出できるようになる可能性があります。

7.関連情報

本ページは産地関係者向けに制度の概要を説明しています。対象品目、証明書の様式、申請方法等は変更されることがありますので、実際の手続では水産庁の最新情報をご確認ください。(2026年10月時点)

  水産物トレーサビリティ協議会    Japanese Association of Seafood Traceability

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    TEL:03-5567-1991(代表)  FAX:03-5567-1960